日本酒の造り方(SAKE DIPLOMA勉強用)

日本酒の製造の概略

日本酒造りは他の醸造酒の製造工程と比較して複雑である。
 日本酒の製造は、玄米を精米して白米にするところから始まる。白米を洗って、水に漬け蒸す工程は原料処理と呼ばれる。蒸米の2割ほどは麹を造る製麹に用いられる。麹ができたら、次の工程は酒母造りである。酒母造りは麹を含めた原料米(これを総米と呼ぶ)の7%程度の蒸米と麹を用いて酵母を増やす。酒母ができたら、これに蒸米、麹、水を加え、醪を仕込み発酵させる。醪の発光が終わったら、これを搾って(上槽)、日本酒と酒粕に分ける。
日本酒は、上槽した日本酒を割り水、ろ過後そのまま火入れせずに瓶詰め・出荷される生酒もあるが、大半の日本酒は火入れ工程があり、火入れを瓶詰時に1回のみ行う生貯蔵酒、貯蔵前に火入れを行い、瓶詰前には火入れをしない生詰め酒、火入れをタンク貯蔵前と瓶詰め時の2回行う一般的な日本酒がある。
 他にも生酛といった伝統的な酒母を用いた製法もある。

[原料処理から製麴まで]

麹とは、蒸米に麹菌というカビを生やしたものである。ビールでいう麦芽の役割である。麹は醪中で酵素の力により(麴には多くの酵素が含まれている)、蒸米のでんぷんをブドウ糖などに変える。できたブドウ糖は、酵母によってアルコールへと変えられる。酒造りは、「一に麹、二に酛(酒母)、三に造り(醪)」といわれ、麹造りは酒造りの中で最も重要とされている。そのため、一般的にビールの麦芽は麦芽メーカーから購入されるのに対し、工事は各蔵で内製される。

1:籾、玄米
・山田錦は10月が収穫期
2:精米 白米
・飯米の精米歩合が92%であるのに対し、普通酒の精米歩合は70%あたりで、精米時間は約8時間。
3:枯らし
・精米により品質が上昇し、水分が減少するので、少しでも元にもどるように、最低でも2週間は袋の状態で放置する。
4:洗米
5:浸漬 水切り
・白米を適正時間浸漬したら、タンクの水を抜いて翌日まで放置する。
6:蒸きょう
翌朝、浸漬米を甑に移動して約1時間蒸きょうする。
7:放冷
8:床期間
・品温が36℃強で麹室へ引き込まれた蒸米は、所定の温度で種切りが行われ、胞子が発芽しやすいように厚手の布で包まれ、1日置かれる。
9:棚期間
・翌朝、発芽した菌糸は肉眼で見えるようになり、発熱量も多く、酸素もたくさん必要とすることから、「箱」、「蓋」等の製麹容器に所定量盛る。作業台を棚と呼ぶ。半自動製麹機に盛る蔵もある。
10:出麹
・3日目に麹を麹室の外にだして完成。麹は薄く広げて乾燥させる。

[上槽から火入れまで]

醪→上槽→滓引き→ろ過→火入れ→貯蔵
搾りたての原酒は普通酒であっても香り高く、ビタミンBの黄緑色、炭酸の心地よい刺激や滓といった新種特有の香味がある。しかしながら、冬の低温であっても、生酒は劇的に変化しやすいために、まずは滓引きにより固形分をおおまかに分離することと、必要に応じて活性炭を添加後、ろ過することで酒質の変化が遅くなるようにする。さらには火落ち防止のためと、酵素反応を停止するために、火入れ殺菌を行い、貯蔵酒は出荷されるまで熟成される。

[貯蔵、瓶詰め、出荷まで]

貯蔵→滓下げ→ろ過→割り水→火入れ 瓶詰め

滓下げとは、製品の白濁防止のために意図的にタンパク質を沈殿沈降させること。また熟成により変化する成分が多過ぎると、着色が進み苦味、雑味として感じられるので、活性炭を用いて色調や香味を整える。その後、滓、活性炭などの不要なものを除去するために、ろ過をし、製品の度数になるよう、割り水され、火入れ、瓶詰めする。

次回からは、いよいよ日本酒ができるまでの流れをチェックしていくよ🍶🔍
洗米から瓶詰めまで、酒造りの手順をひとつずつ丁寧に見ていきます!お楽しみに〜✨

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