日本酒における水(SAKE DIPLOMA勉強用)

日本酒における水の役割

日本酒の成分の約20%はアルコール分、糖分、アミノ酸などであるが、残りの約80%は水である。日本酒造りに使用される水は醸造用水と瓶詰用水に分類される。
・醸造用水
洗米用水、浸漬用水、仕込み用水、雑用水
・瓶詰用水
洗瓶用水、割り水用水、雑用水

醸造用水の条件

鉄:醸造用水 0.02ppm(検出され内のが望ましい)、水道水 0.3ppm以下
マンガン:醸造用水 0.02ppm、水道水 0.05ppm以下

醸造用水中の有効成分と望ましくない成分

醸造用水中に含まれるカリウム、リン、マグネシウム、カルシウムなどは微生物の栄養源となって麹菌や酵母の増殖を助長するので日本酒造りには有効成分とされている。
 一方鉄は望ましくない。わずかでも混入すれば、茶滑翔の色が付き外観上のイメージが悪くなるだけでなく、塾正反応が進みy水ことから、香味を悪くすることが知られている。
 鉄以外の望ましくない成分としてはマンガン、重金属類があり、ほぼ同様の問題を発生させる。
 また、醸造用水は無味、無臭、無色透明で有機物や有害微生物を含有してはいけない。
 多くの酒造では、通常、井戸水をろ過して使用している。

灘と伏見の水

灘の宮水

江戸時代の後期、魚崎(神戸市)と西宮(西宮市)の両方に酒造をもつ山邑太左衛門が、西宮の酒造の日本酒が高品質である理由は仕込み水であったことを発見した。六甲山系に降った雨水が伏流水となり、地層に貝殻の多い海岸部の西宮神社近くの一体で湧き出す水こそが優れた酒となる秘訣である。
 「西宮の水」が略されて「宮水」と呼ばれるようになった。また、水屋という商売まで現れ、四国、九州はもちろん、関東までも運ばれた。宮水は硬水で、その硬水で造られる灘の酒は比較的酸がきいてキレがよく、辛口酒が多いことから「男酒」とも呼ばれている。
 宮水が酒造りに適しているのは、軟水の多い日本にあって醸造に有用なカルシウム、リン、カリウム、クロール(塩素)などを豊富に含んでいる一方で、鉄分が極めて少ないからである。

伏見の御香水

伏見(京都)は、かつて伏水ともかかれていたほど、良質で豊富な地下水に恵まれている土地である。それを象徴するのは、桃山御陵駅近くにある「御香宮」の御香水である。この神社の由緒は、862(平安時代)年9月9日に、この神社の境内から「香」のよい水が湧き出たので清和天皇より「御香水」の名を賜ったことにある。伏見にはこの御香水以外にも六つの名水があり、「伏見の七つ井」とも呼ばれている。伏見の御香水は灘の宮水よりも柔らかい中硬水で、伏見の酒は、なめらかで、きめ細かいことから「女酒」とも呼ばれている。

割り水

貯蔵中の日本酒はアルコール分が高いことから、一般的には瓶詰前に加水することにより、日本酒らしさを失わずかつ飲みやすい15%程度までアルコール分を落とす。この工程を割り水という。
 割り水用水は硬水<軟水<蒸留水やRO水を用いたほうがソフトになる。

水と酵母と味の関係

日本酒もビールなど他の醸造酒と同様、水に含まれるミネラルが多いと、酵母の増殖が活発になる結果、発酵が促進される。発酵が旺盛に進むと酵母による酸の生成量が増加する。
※酵母は生き物ですから、食べ物を食べて生きます。酵母の餌となるのが、米の糖分です。酵母は、原料の糖分を餌にし、発酵する際にアルコールと炭酸ガスを生成する。酵母は、糖分を食べてアルコールを排出する際、アルコールの他に、炭酸ガスも排出します。酵母から排出されたアルコールと炭酸ガスに含まれる主成分に「カプロン酸エチル」「酢酸イソアミル」といったものがありますが、実はこの成分はリンゴやメロン、バナナなどの香り成分に含まれているものです。
 ワインとは違い日本酒は元来酸の少ない酒類であり、酸のわずかな増加は酸味の増加というよりも、むしろ味の締りとして感じられる。日本酒の場合、冷却設備がなく醪の温度調整が困難であった昔は、硬水で仕込んだ醪は、豊富なミネラルにより発行が速くなり糖分を消費し、その結果辛口になりやすい傾向があった。

次回からはいよいよ、日本酒の「醸造方法」と「種類」について見ていきます🍶✨
どうやって日本酒って造られてるの?純米酒や吟醸酒の違いって?そんな疑問にもお答えしていきます!お楽しみに😊

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